アニメな世界事情
チェコ

チェコのアニメは「チェコアニメ」という総称があるほどに世界的に評価が高い。チェコは一九九三年にチェコスロバキアが、チェコとスロバキアに分離し成立した共和国なので、チェコアニメと言ったとき、現スロバキア共和国のアニメも含まれることになる。

東欧では、十七世紀以来、人形劇が近隣の大国支配から母国語を守る意義を持ちながら独自の発展を遂げてきた。

今日、その技術と伝統を受け継いで制作されたパペット(人形)アニメーションは、国際的にも高い評価を得ている。中でも、そのパイオニアとして活躍したイジー・トルンカは、「チェコアニメ」の巨匠として『バヤヤ王子』『真夏の夜の夢』(右写真)などの作品で、日本でも広く知られている。一方で、彼は、子どもの本のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞を受賞した作家でもあった。トルンカの門下たちは、その伝統を受け継ぎパペットアニメ作家を中心に独自のアートアニメを発展させてきた。ルネ・ラルーの『時の支配者』(下写真)や『ガンダーラ』、イジー・バルタ監督の『屋根裏部屋で』はトルンカの意志を受け継いだ傑作である。

このアニメ先進国チェコでは、絵本の制作にもアニメーションが影響を与えている。チェコのアニメの作家たちの中には、絵本創作やイラストレーション、デザインなどを手がけている人も多く、そこには、アニメ作品と同様の詩的な世界が繰り広げられている。一方、すでに絵本として出版されて浸透した童話や民族伝承などを題材にしたアニメーション映画も多く作られている。

チェコにも日本のアニメファンは少ないながらも存在している。町の多目的ホールなどでは月に何回か日本アニメのDVD上映がなされているようだ。

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