アニメな世界事情
イギリス

イギリスは世界の主要国の中でもっとも日本アニメが普及していない国だったが、近年はテレビで日本アニメ特集が増え、アニメイベントも急増中であり日本のアニメに対する今後の受容が注目される。『エヴァンゲリオン』や『ガンダム』『カウボーイビバップ』などが人気だと言う。

ただし、漫画に関しては、『ドラゴンボール』や『アキラ』といった例外も存在するが、ほとんどがアメコミの独壇場である。イギリスでは漫画は子供の見る幼稚なものであるとの認識が強いため、日本の漫画の良さが認識されるのにはまだしばらく時間がかかるかもしれない。
(左上写真はイギリスで売られている日本の漫画)

日本で知られているイギリス製の劇場アニメといえば、一九八〇年に日本でも公開され、興収十億円を挙げるヒットを記録した『ウォーターシップダウンのうさぎたち』がある。当時、手塚治虫氏などは絶賛していたが私にとっては退屈な作品だった。一九八二年に公開された『スノーマン』(右写真)は二十六分のパステル調アニメだ。言葉がなく絵のみで人物や物語を描いて世界中で人気となった。一九八六年公開の『風が吹くとき』平凡な老夫婦を主人公にした反戦反核をテーマにした問題作だ。

テレビシリーズでは『ウォレスとグルミット』(下写真)をご存知の方は多いだろう。NHKでも放映されたアカデミー賞受賞の粘度アニメである。ウィットの利いた保守的なこのような作品が、かの古典的な名作、一九五四年公開のハラス&バチェラーによる『動物農場』とともにイギリスのアニメを象徴しているように思う。

過激な暴力表現でも名高い日本のアニメが、厳しい検閲で有名なイギリスでどう対処されているのかと言うと、意外なことに、これまで過剰な暴力表現を理由に検閲を通らなかったアニメは皆無であるとのことだ。ただしうろつき童子』などいくつかの作品がイギリスでの放映を禁じられていた。これらの作品がレイプや幼児虐待を想起させる過剰な性描写を含んでいることが主な理由

いずれにしても他国の文化を流入にくい保守的な国、イギリスにあって日本のアニメはじわじわと浸透し文化交流の一翼を担っていることは間違いない

目次 次へフランス