アニメな世界事情
インド

今、インドのアニメ産業の急成長ぶりが注目を集めている。理工系の豊富な人材と世界に定評のあるIT技術の後押しがあって、アニメの製作面でも世界レベルに達しつつあるからだ。インドが製作したアニメ『ブッダの伝説』(右写真)二〇〇四年のアカデミー賞アニメ部門の予備選考(ノミネート候補資格)作品に入るなど、インドはアニメ生産国として自信を深めつつある。

二〇〇七年時点でのインドのアニメ産業は約億ドル規模の市場だが、二〇一〇年までに十億ドル規模に達すると予想されている。それは、インドのエンタテインメントビジネス全体の六分の一の規模に当たる。

もともとインドは世界一の映画生産国として知られており、十一億人という人口のもと、アニメ製作も国内市場だけで十分にビジネスモデルが成り立つのだ。

各都市には、アニメーションと特殊効果を専門とする企業が多数存在しており、アメリカの基準からするとはるかに低コストでいい仕事をする人材溢れている。英語を話せる技術者が多くいることから、インドがアニメ制作のアウトソーシング拠点として、先行組の韓国、台湾のライバルとなりつつある。

インドのアニメ産業の動きは日本のアニメ産業の市場とはあまり重なることはない。また、中国やフィリピンといった2アニメーションの作画中心の国々との市場競争もあまり考えられない。インドのアニメーション産業と一番競合するのは、3Dアニメやゲーム開発の受託による市場拡大を狙っている台湾や米国内のCGアニメ企業になる。

ところで、もちろんインドでも日本のアニメは人気だ。全世帯の約4割に普及しているケーブルテレビには日本アニメの専門チャンネルもあり、ポケモンほかこち亀』『幽遊白書』『クレヨンしんちゃん』など放映されている。ドラえもんの平均視聴率は2.5%だが、チャンネル数が百以上あるインドではかなりの人気番組だと言える。流ちょうなヒンズー語を話す「ノビータ(のび太)」や「ジャン(ジャイアン)」が活躍する。日本アニメ、恐るべしである。

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