アニメな世界事情
ポーランド

ポーランドはチェコの隣国であり親日の国として知られている。一九二〇年ころ、流刑の地シベリアにいた七百六十五名のポーランドの孤児たちを日本政府が助け出し、日本で手厚い看護をした上で本国に送り届けた、というエピソードが今でもポーランドでは語り継がれているのである。

ポーランドに日本のアニメが渡った七〇年代初頭の『科学忍者隊ガッチャマン』と『みつばちマーヤの冒険』(左写真)が最初である。それ以来、立て続けに日本のアニメが輸入され、今では日本アニメの輸入大国のひとつになっている。

『セーラームーン』や『ドラゴンボール』の大ヒットに連動して日本の漫画にも注目が集まるようになった。例えばセーラームーンなど、桜の国の少女が制服を着て戦う姿(右写真)はポーランド人にとって非常にエキゾチックに感じられるようで、それもヒットの一因と言われている。『ハガレン』や『NARUTO』も漫画、アニメともに人気だ。ポーランドではキャラクターの名前を英語風に変えてしまうことが多いようで、例えばポケモンでは、サトシがアッシュ、ハルカがミスティ、タケシはブロック。しかしピカチュウはそのままで台詞も「ピカピカ」としゃべっているようだ。

宮崎アニメや押井アニメも隈なく公開されており高い評価を得ている。

「ドジコン」という日本アニメのイベントも毎年開催されており、大いに盛り上がっている。もちろんコスプレ大会などもあるが、ただのお祭り騒ぎではなく、かなりアカデミックな催しもあり興味深い。「漫画&アニメ知識王コンクール」や「日本知識王コンテスト」などの各種コンクール。「日本のポップカルチャーにおけるフェティシズム」と題したパネルディスカッションでは、「なぜアニメ作品のメイドに対し強烈な印象を覚えるのか、なぜ女子高生たちは短いスカートを履くのか、女の子はただその姿を見せびらかすために猫耳を付けるのか、そして人間に変身する動物たちのセクシュアルな場面はどのように描かれているか。つまりアニメで描かれる、人を狂わせ興奮させるもの、全員が知っている標準的なもの、巧妙で異常なもの」について真剣に語り合うのだそうだ。

また「日本女性の生活における鶏と牛」というパネルディスカッションでは「桜咲く国の女性の日常」が討論され、「寿司教室」では寿司を実際に作り皆で食べるそうだ。これらを通して日本に親しみを覚えてくれるのならば、これもまた良しとしよう。

もともとポーランドはチェコと同じように、アニメ作家によるアートアニメの国である。東欧特有の暗さを漂わせた作品、ハリウッドや西欧とは一味違うディープな作品が数多く作られてきた。アニメはあくまでも子供のもとという発想が根強い国でもある。近年はTVシリーズの人形アニメ『おやすみクマちゃん』(左写真)が大好評で海外にも紹介されている。

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